コラム合戦~夏の陣~#7

デジタルで創出する顧客とのコミュニケーション

【要約】 
ブランドと消費者の関係構築は、人とのコミュニケーションと近しいものがある。その時々によって接する人の感情や態度が変わるように、企業もまた移り行く顧客のニーズに合った適切なブランディングをしていくことが求められるからだ。 
その適切なブランディングを進めるための前提知識として、「エクイティ・ピラミッド」と「4つのブランドステージ」がある。 
「エクイティ・ピラミッド」とは理性的側面及び感情的側面からの働きかけによって、顧客一人ひとりが段階的にブランドと向き合っていく一連のプロセスを体系化したものであり、「4つのブランドステージ」とは「1.イントロダクション」「2.ブランド成長」「3.真のブランディング」「4.ロングセラーブランド」に分けられ、現状ブランドがどのステージに置かれているのかを見極め、その都度最適な戦略を実行するための指標として使われる。 
ここでは特に難しい4のロングセラーブランドについて軽く触れたいと思う。4段階目では、森永乳業の「ピノ」を例に挙げている。ピノは40年以上、親、子、孫の3世代に愛されるブランドだが「嫌いじゃないけど、好きな理由がない」状態に陥っていた。そこで森永乳業は自由にピノアイスをデコレーションできる「ピノフォンデュカフェ」をデザイン。これがSNSのシェアにつながり、売り上げ増に至った。従来の広告方法では伸び悩んでいたロングセラーブランドを「体験」によって記憶に残すことで活性化することができることが分かった。 
森永乳業は先の経験をもとに情報社会という環境に合わせ、「知る」「知らせる」「交流する」を通じたエモーション(感動)の創造にチャレンジし始めた。 
初めに「知る」では、できるだけ多くのソースから情報を集め、分析する。その際、デジタルを活用すること自体を目的化してしまわないように注意する。 
次に「知らせる」では、嫌われない方法で、情報を知ろうとする人たちに有効なメッセージを出していくことが重要であり、そうするためには、消費者の視点から考えるということが必要になる。 
最後に「交流する」では、コミュニティサイト「Newの森」を通じて顧客のエモーションを創出しようとしている。具体的にはクイズなどの参加型のコンテンツや商品の有用性に関わる全12話のコンテンツを1話ずつ公開してユーザーの「楽しみ」を刺激すること等が行われている。 

【感想】 
日本国内は現在、人口減×財・サービス増(類似物)等によるモノ余りの時代にあります。筆者はもちろん今まで「モノがありすぎて選べない」という消費者の目線で生きていました。しかし本当に大変なのは企業のほうであり、一つの商品を売るという行為は、大量の情報、着実なステップ、革新的なアイディアが必要な大仕事なのだと、この記事から知ることができた。 
様々な物事がデジタル化し、AIが導入による第4次産業革命が起こり、その事実を元にマーケティング戦略を打とうと考える人がたくさんいる。その中で、実際に店舗で消費者に品定めしてもらえる機会を用意したり、個人と商品だけをつなげるのではなく、家族、恋人、友人など人間同士の思い出や関係性に商品を結びつけることで、他に似たような商品があったとしても手に取ってもらうことができるようにするなど、人間の嗜好や喜怒哀楽に上手く訴えられる方法で戦略を立てるのは重要であるとおもう。 
個人的には健康食品系を宣伝するとき、「この菌/栄養素が体にある/ないと将来、○○のような病気にかかりやすい」といったある種脅迫のようなものがもっとあってもいいと思う。 

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